syghの新フラグメント置き場

プログラミングTipsやコード断片の保管場所です。お絵描きもときどき載せます。

閃光のハサウェイ第1部を観てきました

映画は平日鑑賞に限りますね。前売り券は2019年の発表後すぐに買ったんですが、だいぶ延期されたのでようやく使うことができました。ていうか前売り券1,800円/当日券1,900円は高すぎだと思います。日本の映画を衰退させているのは映画産業の利権構造そのものだということがハッキリしました。だいたいもう今どきの邦画なんてクソしかないので、じわじわと自分たちの首を絞めて完全に死んでしまえばいいと思います。

で、本題のハサウェイですが、ドラマ部分はかなり面白かったですね。このあたりは富野由悠季の原作の力によるところが大きいと思います。原作小説は学生時代に読んだので、理想主義のハサウェイに感情移入していましたが、大人になってからは「やっぱテロリズムはダメだよな」と感じています。第1部で各所に伏線をちゃんと張ってくれている(と思う)ので、クソ劇場版ゼータみたいな邪悪な改変はせず、原作通りの結末にしてくれると信じています。

一方、映像や音楽・音声に関してはありきたりな感じで、今どきのアニメだったらまあこの程度か、というレベルのものです。特に目を見張るようなものは何もありません。過去の名作と比べるのは酷だと思いますが、80年代のOVAガンダム0080のほうが総合的な映像作品として遥かに魅力的でした。

原作小説の表紙と挿絵(美樹本晴彦)が好きだったので、劇場版アニメのキャラクターデザインは嫌いだったのですが、声も違うし実際ケネスとかもう全然別物になっていたので逆に別人として観ることができました。ホストみたいな声優ばっかりでしたが、全員ホストみたいなキャラクターデザインなのでもうどうでもいいです。
しかし、ギギ・アンダルシアの外見と声が一致していない(大人の女性の風貌なのにアニメ声すぎる)のは耐えられない違和感がありました。クェス・パラヤを想起させるということでアニメ声は外せなかったんでしょうが、だったらもう少しキャラクターデザインはどうにかならなかったのか。小説挿絵のギギは妖精的な美しさがあり、絶対に小説版のほうが可愛いと思います。これはもう原作小説読んでくださいとしか言いようがない*1。また、上目遣いに魚眼レンズ風の下品なカメラワークをもってくるのにも生理的な嫌悪感を覚えました。レーン・エイムもそうですが、眼球だけがギョロギョロしていて怖い。最近のアニメーターやキャラクターデザイナーは、確かに絵は上手いし、動きもなめらかなんですが、小綺麗なだけで、魅力的なキャラクターデザインをするのが猛烈にヘタクソですね。クソ劇場版ゼータとかガンダムUCとか、あの手の小綺麗で無駄にぬるぬる動く、小手先のテクニックに頼った無個性で気取った絵が俺は大嫌いなんです。

CGの使いすぎも気になりました。最近のガンダムって小道具・大道具問わずやたらCGを使いたがるんですよね。序盤の月面や、中盤でフィリピンの島々を上空から見下ろすシーンでは、キレイだなとポジティブな感触を受けたんですが、モビルスーツが完全にCGだったのがとても残念です。ああ、もう本当に手描きのロボアニメは死滅したんだなと。閃光のハサウェイモビルスーツは恐竜進化の果ての最終形であり、ゴテゴテした複雑なデザインになっているため、アレを手描きアニメで動かすのは難しいということはまあ分かるんですが、とにかく迫力がない。ゲームみたいな戦闘シーンでした。メッサーとグスタフカールの戦闘中、飛び散るビーム粒子で街が焼かれ破壊されていくシーンは良かったと思いますが、F91みたいに明確な死の描写とかしてないんですよね。序盤のシャトル襲撃の銃殺シーンでも血が飛び散るだけだし。つまらないなあ。一見残虐に見えるけど結局モブが死ぬ程度にしか感じられない。こういうところも(時間経過や画面スクロールで死体が突然消える)ゲームのようです。
とはいえ、エヴァ完結編のように人物の作画の下絵までCGでやっていることが丸わかりな部分はなかったように思います。そもそもエヴァの場合、映像がチープすぎて泣けてくるレベルなんですが。

クスィーガンダムはまあまあ原作デザイン(森木靖泰)に近いので良しとしますが、ペーネロペーの顔がカトキ臭くて猛烈にダサかった。だからさー、もうカトキなんかにやらせるなよなー。あいつのデザインはつまんないんだよー。ロボ成分が全然物足りない方はゼオライマーを観ましょう。

なんにせよ、第2部を楽しみに待っています。

*1:最近出た新装版は挿絵がないらしいです。若干高いわりに表紙も微妙なので、わざわざ買う価値はまったくありません。オリジナルの角川スニーカー文庫版を強く推奨します。新装版の企画を考えた人間は完全なる無能の極みですね。