syghの新フラグメント置き場

プログラミングTipsやコード断片の保管場所です。お絵描きもときどき載せます。

C#

C++における構造体のコンストラクタはユーザー定義すべきではない(私見)

C++のクラス (class) と構造体 (struct) は、デフォルトのメンバーアクセスレベルが異なるだけなので、機能的な違いはありません*1。構造体でも、メンバー変数だけでなくメンバー関数を定義することができます。当然コンストラクタやデストラクタをユーザー…

C/C++の汎整数拡張(昇格)と条件(三項)演算子

現在主流のプロセッサは、異なる型の数値同士を直接演算することはできません。必ず型を揃える必要があります。 C/C++は暗黙の型変換を許すパターンが多数ある危険な言語なんですが、中でも異なる整数型、特に符号付きと符号無しの整数型を混ぜると、暗黙的…

TortoiseGitの言語パックを削除する

TortoiseGitやGitに慣れたら、日本語の言語パックをインストールしてローカライズするとかえって分かりづらくなるし、いちいちバージョンアップのたびに言語パックを入れ直すのもダルいため、言語パックをアンインストールすることにしました。しかし、コン…

絶対値関数absとオーバーフロー

C/C++において、符号付き整数の絶対値を求める関数abs(), labs(), llabs()および整数型のstd::abs()関数オーバーロードには罠があり、「整数オーバーフロー」が考慮されていません。 これは、JavaやC#のような近代的な言語と違って、C/C++の整数内部表現が2…

enumの読み方・発音はイニューム

ほとんどのプログラミング言語には列挙型 (enumeration type) あるいは列挙体 (enumeration) というデータ型があり、有限集合を順序付けて定義するのに使用します。C系の言語ではキーワードenumを使用します。 /* 軍艦の種類を表す列挙型 */ typedef enum My…

ログ用に時刻を取得して文字列化する (C#, Java, POSIX/Win32)

アプリケーションのデバッグや、デプロイ後の問題解析に最も重要な役割を果たすのはログです。ログの機能や精度・粒度によって、問題解決のしやすさがほぼすべて決まります。また、ログは単なるトラブルシューティングだけでなく、場合によってはユーザー操…

C++でstaticクラス

C#には「staticメンバーだけを定義して、実体化(インスタンス化)は許可しない」ようなクラスを簡潔に定義する手段があります。 public static class MyHelper { public static int Add(int x, int y) { return x + y; } } staticクラスは状態を管理しない…

C/C++の#warning

コンパイルエラーを意図的に発生させる#errorプリプロセッサディレクティブに関しては、お馴染みの#includeや#defineなどと同様に言語仕様として標準化されているようで、おそらくすべてのC/C++処理系でサポートされています。 #ifdef __cplusplus #error Th…

volatileに関してそろそろ一言いっておくか

今更言うまでもありませんが、C/C++とJava/C#ではキーワードvolatileの意味が若干異なります。 C/C++ C/C++言語のvolatile修飾子は、コンパイラに副作用を示唆し、メモリアクセスの最適化を抑制するために存在します。volatileは典型的な処理系依存機能のう…

Visual StudioのビルドイベントでPowerShellを踏み台にしてC#を使う

Visual Studioでプロジェクトをビルドする際に、複雑な前処理・後処理を記述する場合、通例バッチコマンドによるカスタマイズをします。ただ、Windowsのコマンドは貧弱で、Unix/Linux環境のシェルなどとは比べ物になりません。 従来のバッチコマンドの代わり…

Directory.Exists/File.Existsメソッドのタイムアウト時間

.NETのSystem.IO.Directory.Exists()メソッドは指定ディレクトリの存在有無をチェックするメソッドですが、タイムアウト時間が設けられています。ローカルドライブのディレクトリにアクセスする場合は、よほど低速なシステムか膨大なストレージでないかぎり…

C# 6.0コンパイラーの興味深い挙動

C#言語はnullに関連する演算子が豊富です。 null合体演算子 null合体演算子は左側オペランドがnullでない場合は左側オペランドを返し、nullの場合は右側オペランドを返します。参照型のほか、Null許容型(Nullable)にも適用可能です。C# 2.0で追加されまし…

INIファイルでUnicodeを扱う

今更ですが今日はINIファイルのお話です。初めに断っておきますが、ぶっちゃけWindowsアプリケーションでレガシーなINIファイルを使うのはもうやめましょう。Windowsアプリケーション設定の管理には、今後はレジストリやXMLファイルなどを使うべきです。 そ…

ショートカットファイル(.lnk)をC#で読込・解析・編集・作成

Windows 8.1用にHDDを移行したとき、昔使っていた古いドライブレターをいくつか廃止して統合したので、参考資料画像群*1のしおりとして残しておいたショートカットファイル(*.lnk)のリンク切れが大量に発生しました(リンク先の実体ファイルは別ドライブの…

マネージリソースアセンブリの解析

.NETのマネージリソースアセンブリを解析するC#コンソールプログラムのサンプルです(Visual Studio 2012で動作確認)。 非ASCII文字を含む文字列をValueに持つようなエントリー群をXMLファイルに書き出します。なんでこんなことをしようかと思ったかという…

正規分布する乱数の生成(中心極限定理/Box-Muller)

コンピュートシェーダーでブラウン運動のシミュレーションを実装しようと思ったんですが、そのためにはまず正規乱数(正規分布する乱数)を生成する必要がありそうなので、まず自前のCPU向けコードで正規乱数を作るテストプログラムを書くことにしました。 …

boolとgetter/setterの命名規則

C++の命名規則に関する話です。普通getter/setter(いわゆるアクセッサー)であるようなメソッド名(メンバー関数名)には接頭辞にGet/Setもしくはget/setを付け、その後に内部フィールド名(メンバー変数名)などを続けるような形で命名すると思いますが、b…

WPFのAero2/AeroLiteテーマ

以前書いたModern UI for WPFの導入に関する記事にて、WPF 4.5におけるAero2/AeroLiteテーマの外観上の問題点について言及しましたが、具体的にどういうことなのか説明しましょう。 まずはサンプルコードから。 WpfAero2ThemeTest1.zip 以下はWindows 7での…

WPFアプリの外観をストア アプリ風に ―Modern UI for WPF―

(これは2013-05-13に書いた故OCNブログの記事を加筆修正したものです)Windowsストア アプリ(Windowsランタイム アプリ、WinRTアプリ)や、Outlook.com、OneDrive(旧SkyDrive)などで採用されている、Modern UI(旧称Metro UI)は、他のMS製デスクトップ …

IronPython備忘録

(これは2012-04-21に書いた故OCNブログの記事を移植したものです)しばらく使わないと忘れるので、備忘録ついでにC#との比較を少し載せておきます。 Visual C#プロジェクトの参照設定に相当するコード: import clr clr.AddReferenceByPartialName("System.…

メンバー変数命名規則

(これは2010-10-20に書いた故OCNブログの記事を移植したものです)自分はC++の場合、classメンバー変数の命名規則として、ずっと m_ プレフィックスを付けるようにしています。 ただし、すべてのメンバーを外部公開するstructメンバー変数(ここでいうstruc…

printfとString.Format

(これは2013-06-27に書いた故OCNブログの記事を移植したものです).NETのString.Format()やConsole.Write()/WriteLine()の書式を駆使すれば、ほぼCのprintf系をカバーできるんですが、MSDNの書式指定構文の説明にある、 % [flags] [width] [.precision] [{h…