家庭(実家)の事情やWindows PCの更新などでゴタゴタしていて余裕がなかったことから、iPhone 8のままずるずると使い続けていました。Touch IDの利便性や物理ホームボタンの単純明快さ*1、ほぼ片手で操作可能な筐体のコンパクトさが捨てがたかったということもあります。
しかし、Lightningコネクタの摩耗による接触不良やバッテリー寿命が限界に来ていたこと(新品の購入時から一度も交換していないので最大容量が70%台に落ちている)、そして最大の問題としてiOS 16のサポートを終了するアプリが出てきて使い続けるわけにはいかなくなったことから、とうとうiPhone 16無印に移行しました。iPhone 16自体は去年から狙っていて、iPhone 17がリリースされて型落ちになり値下げされるまで待っていました。128GBモデル以外は終売となっていますが、ストレージはそれほど使わないので十分です*2*3。
iPhone 5→iPhone 8のときはよく分かっていなかったので、キャリアの店頭で機種変更作業をやってもらいましたが、当然キャリアで買うと端末価格自体も高いし、今回データ移行作業は完全に自分でコントロールしたかったので、SIMフリー端末を自分で購入して、全データの移行後に物理SIMカードを差し替えています。
ちなみにiOSのUI言語は普段から日本語ではなく英語にしているんですが、Apple製品特有の用語が分かっていれば移行作業中も大して困ることはないです。
iTunesとクイックスタート
もともとiTunesにより作成したローカルバックアップデータを使って移行する予定でしたが、アホなことにiTunesバックアップからの復元時に入力を求められる暗号化のパスワードが分からなくなってしまい*4、結局普段の仕事のデバイス移行作業でもよく使っているクイックスタートにしました。
結論から言うと、クイックスタートでOS設定もアプリもユーザーデータも問題なくすべて完璧に移行でき、最後にSIMカードを旧端末から抜いて新端末に差し替えるだけの簡単な仕事でした。数日かかったWindows PCの移行作業に比べると、本当にあっけなく1時間程度で終わりました(iTunesでバックアップや復元を試行錯誤していた時間は除く)。iOS 16.xからiOS 18.5へのギャップがあるにもかかわらず、互換性のある設定はうまく移行されていました。すでにApp Storeに公開されていないアプリはインストールされず、またSafariの拡張機能としてインストールしている広告ブロッカーアプリ (AdGuard) の設定を一部有効化する必要があったくらいです。
クイックスタートは旧端末と新端末の間でBluetoothやWi-Fi*5を使ったPeer-to-Peer通信によって設定やデータをコピーする機能です。写真やドキュメントだけでなくアプリデータも完全に移行できます。
移行の途中でパスコードによる認証が何度か必要になりますが、iCloudにバックアップしているデータを併用して復元する必要がある場合、iCloudのセキュリティコード(PIN)を聞かれることもあるようなので注意が必要です。
LINEの移行もクイックスタートで可能(ただし事前準備が必要)
移行を躊躇していた理由の1つが、LINEとかいう例のSNSアプリです。昔連絡用に要求されたので仕方なく使っていたことが一時期あったものの、使わなくなってアンインストールしましたが、現在家族との連絡に使っている関係上、再び仕方なくインストールしていました。
コイツのユーザーデータ(特にトーク履歴)の完全な復元には、たとえiPhoneからiPhoneに移行する場合であっても、MacあるいはiTunes for Windowsが必須で、クイックスタートでは完全な復元はできないという情報もありましたが、それは昔の話らしく、現在は改善されていて、事前準備をしておけばクイックスタートでも完全に移行できるようです(ただしLINEのバックアップデータをiCloudにすべて保存できる空き容量があるという前提)。そもそも、iOS間/iPadOS間やAndroid間であっても引き継ぎ・移行できないデータがあるというのはおかしな話だと思いますが、基本無料のアプリで貧乏人が文句を言うのは筋違いかもしれません。手厚い保証や機能が欲しいヘビーユーザーはプレミアムプランの会員費を払えということだと思います*6。
公式サイトの手順に従って、事前に旧端末のLINEアプリ内でアカウントに紐づけるメールアドレスやパスワード、バックアップPIN*7の設定をしておき、トーク履歴のiCloudへのバックアップを実施した後、アカウント引き継ぎ (Account transfer) モードをONに設定しておけば、後は普通にクイックスタートで移行するだけです。
これらの情報は新端末でLINEアプリを起動し、アカウントやデータを引き継ぐときに必要となるので、忘れずに設定しておく必要があります。
2025年11月以降はLINE 13.20以前のサポートが終了し、まともに動作しなくなる(起動はできても肝心の通信ができなくなる)ので、それまでにLINE 13.21以降にバージョンアップしなければならないという明確な期限があります。
もともとiOS 16.xではLINE 15.7までは使えたはずですが、手元のiPhone 8でLINE 13.5.1のまま放置していたところ、App Storeで更新できなくなっていました。
2025年3月以降はLINEのiOS 16サポートが終了したせいで、iOS 16に対応していた最後の旧バージョンもApp Storeでダウンロードすることができなくなってしまっているようです。
iPhone 16(出荷時の時点でiOS 18.x)への移行によって、LINEを無事15.16.1まで上げることができました。
Androidと違って、Appleの旧デバイスサポートはかなり長期に渡り、最新バージョンのOSがインストール可能というわけではないものの、最終サポートOSにおけるセキュリティパッチの提供という観点では、サポートサイクルがWindows OSの10年並みに長いことになるのですが、サードパーティ製のアプリはどんどん足切りをしてしまうのが悲しいところです。AndroidやiOS/iPadOSは機能やAPIセットの追加・仕様変更および非推奨化が激しく、OSも端末も毎年新しいバージョンが出るので、開発者としてはいつまでも古いデバイスや古いOSのサポートをし続けるわけにはいかないというのは分かるのですが、せめて古いOSに対応する最後の旧バージョンをインストールできるようにしてくれ。
今後
iTunesでは暗号化せずにローカルバックアップをとることもできますが、iOSのHealthアプリやLINEのデータなどをiTunesでバックアップ&復元するには暗号化が必要となります。しかし、もし暗号化のパスワードを忘れてしまうと復元に使えなくなります。そうなると暗号化パスワードリセットのためにOS設定をリセットし、バックアップを再作成しなければならず、旧パスワードで作成された以前のバックアップデータは一切使えなくなってしまうので、いざというときのために今後は暗号化のパスワードを忘れないようにしたいものです。
iPhone 17以降は物理SIMが廃止されて、eSIMに一本化されているようですが、次の機種変更はずっと先のことなので、今後の移行時にどうするかはまたそのとき考えることにします。
端末の保険はもともとキャリアのAppleCare+相当サービスに加入していましたが、iPhone 8と比べてiPhone 16の利用料は高くなるので、別の保険会社を利用することも検討中。AppleCare+は端末ごとに紐づけられているので、旧端末のほうはもう使わないのであれば解約する必要があります。
あとメインの充電手段をどうするかも考える必要がありそうです。iPhone 8の時点でワイヤレス充電(Qi規格)に対応していましたが、有線よりも発熱しやすいらしく、本体に負荷がかかりそうだったので見送っていました。しかし有線だと毎日の繰り返し利用でコネクタが確実に摩耗してしまうというデメリットがあり、それはLightningもUSB-Cも変わらない*8ので、今後はワイヤレス充電をメインにしたほうがよいのかも。MagSafeにするか、それともQi2にするか検討中。
ところでApple純正の有線ケーブルってなんであんなに首の部分(ケーブルと端子カバー部の間)が弱そうなんですかね? 一般的なサードパーティ製品と比べて、見るからに曲げや引っ張りに弱そうで、被覆も劣化しやすく、構造も材質も意図的に長持ちしないように作っているとしか思えません。
*1:もともとホーム画面やアプリ切り替え画面に関するシステムUIのジェスチャーナビゲーション操作はAndroidもiOSもファジーなところがあり、直感性や確実性に欠けていて嫌いなので、仕事で使っているAndroid端末でもすべて3ボタンナビゲーションにしています。各アプリ内の操作に関しては、大きめの端末を片手で操作する場合はボタンよりもジェスチャーのほうが便利なときもありますが。
*2:iPhoneでゲームをするユーザーは内蔵ストレージ容量が多いほうがよいと思いますが、自分はPCゲームにしか興味がなく、モバイル端末ではゲームをしません。カメラは使いますが、もっぱら静止画のみで、動画は興味ないです。
*3:母艦がWindowsなのにiPhoneを使っているのは奇特なパターンだと思いますが、もともとAndroid端末の出来がどのベンダーもひどくてサポート期間が短かった時代(いわゆるオンボロイド時代)にスマートフォンを使い始めたので、当時の自分の選択肢としてはiPhone以外にありえませんでした。Android端末は選択肢が豊富でカスタマイズ性が高いし、今はAndroid端末の性能も同一価格帯のiPhone以上に上がっていて、サポート期間も伸びていますが、iOSは標準アプリの出来がよいこと、またiOS/Android間のデータ互換性は完全ではないことから、今更乗り換えるつもりはありません。価格に関してはiPhoneだけでなくAndroidも全体的に上がっており、全部円安のせいです。
*4:自分で設定していた記憶は全然ないのですが、忘れているだけかもしれません。
*5:Bluetoothは帯域幅が狭いので、主にP2P接続確立用の小さな情報をやりとりするために使われ、データ転送を高速化するためにWi-Fiも併用されます。
*6:ソフトバンクのユーザーは自動的にLYPプレミアムが利用できるので、LINEアカウントと連携すればLINEのプレミアムプランも追加料金なしで使えるらしいです。対価としては個人情報を売り渡すという前提になります。
*7:このバックアップPINは、前述のクイックスタートにおけるiCloudセキュリティコードとは別物です。
*8:仕事で使っているAndroid端末も、デバッグのためにUSB-Cケーブルの抜き差しを繰り返してきたものは接触不良を起こしやすくなっています。一応Android 11以降はWi-Fiによるワイヤレスリモートデバッグという選択肢もあり、今はそちらをメインのデバッグ手段にしているんですが、有線と違って自動で認識しない(あるいは認識まで時間がかかる)ことも多いため、adb connectのコマンドラインからIPアドレスとポート番号を手動入力する必要があったりしてストレスが溜まります。本体側の端子の摩耗を減らすためにケーブル側の端子を擦り減りやすい材質にするとかして欲しい。