syghの新フラグメント置き場

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アニメのリメイク多すぎ問題に思うこと

悲しいことだが、本当に日本のアニメはオワコンになりつつある。過去の遺産にすがらないと立ち行かないくらい枯渇しているのだろう。粗製乱造の余波もここまで来たか。

だいたいポリコレでがんじがらめになっている昨今、幼女のパンツが出てこないぴえろ魔法少女や、乳首が出てこないらんま1/2とか作る意味あんのかと(暴論)。まさかとは思うが、オンエア時は謎の光で隠すつもりなのだろうか。レイアースの魔神も今だと残念な貧弱CGロボになりそうである。オーバリズム全開の手描きロボに今更勝てるとでも思っているんだろうか。80年代や90年代オリジナル版のらんま、セーラームーンレイアースるろうに剣心は回によって作画監督のクセが強く出ていたり、品質が低かったりする回もあったが、それも含めてひとつの味だったと思う。まあ当時の熱量には勝てんぜ。

あとこれはもうずっと前から繰り返し言っているのだが、セルアニメと比べてデジタルアニメはノイズがなくて線も塗りも「綺麗」すぎる。そのせいでかえってチープに見える逆転現象が起きる。ブラウン管モニターで美麗に見えていた昔のドット絵のゲーム画面を液晶ディスプレイで見るとピクセル境界がハッキリしすぎて、なんだかコレジャナイ……とガッカリするのと似ている。

かく言う自分も、80年代や90年代の幼少期にリアルタイムで観ていたアニメは、過去にヒットした第1作からスタッフやキャストを刷新した第2作・第3作といったリメイク版であることも結構多かった。サリーちゃん・アッコちゃん・バカボン・おそ松くん・鬼太郎・ドラえもんパーマンオバQ・怪物くん・ルパン三世……挙げるとキリがない。これらはモノクロ版だった第1作などを現代風にリメイクした作品が多く、また70年代以前と比較すると80年代はアニメの作画クオリティや音質が飛躍的に向上したシンギュラリティ・ポイントでもある*1ため、今でも違和感なく鑑賞に耐えうるどころか、むしろ最近のアニメよりも勝っている点すらある。
が、今は当時と決定的に違う点がひとつある。それはリメイクアニメの主なターゲット層が子供ではなくなっている、ということだ。自分は深夜アニメを観なくなってもう5年ほどだが、深夜の時間帯に放送するアニメが子供でも安心(?)して観られる作品であるわけがない。80年代ではOVAでしかやれなかったようなオタク向けのニッチなエログロや寒い内輪ネタのギャグを臆面もなく垂れ流しているのが1990年代後半以降の深夜アニメの世界である。先に挙げた80年代・90年代のリメイク作品に共通する点は、ほとんどが子供向けであり、親世代が懐かしんで観るものではなく、新たな若い視聴者層を獲得することを第一義として作られたものであったと思う。

もちろん社会情勢の変化もあり、当時ゴールデンタイムで流れていた子供向け番組であっても今の時代だとアウトになってしまう表現もある。昔は子供向けアニメで、タバコを子供の目の前でプカプカふかす大人なんてのは「普通」だった。幼女のブルマやパンチラはおろか、スカートめくりやお風呂場のぞきといったセクハラ表現も「普通」だった。おおらかだったというよりは狂っていたとも思えるが、そういう緩い時代に作られた作品と、規制でがんじがらめになった時代に作られる作品とでは、最初からできることに大きな差があるだろう。

イケイケドンドンのバブル期は良くも悪くもパワフルで、中には冷戦期を背景に世紀末の先に待つ不安を予感させるような暗い未来やディストピアを描いた重いSFアニメや特撮もあったが、かつて技術立国であったはずの日本が21世紀に入ってから四半世紀も過ぎようとする今、ここまで凋落する衰退国家になるなどとは誰も思い描いていなかったのではなかろうか。

animestore.docomo.ne.jp
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長々と書いてきたが、自分はもうリメイク版のアニメは観ないつもりである。

*1:たとえばファーストガンダム劇場版とTV版Ζガンダムの間には5年のラグしかないことに留意したうえで比べてみて欲しい。その差に愕然とすると思う。もちろん自分はファーストガンダムを貶めるつもりは毛頭なく、好きな作品のひとつではある。