syghの新フラグメント置き場

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Windows 10 1709/1803でキャレットの点滅が止まる

Windows 10 1709 (Fall Creators Update) には、エディットボックスなどのキャレット(縦棒のカーソル)の点滅が5秒程度で止まってしまうバグがあるようです。確かキャレットはシステムタイマーでOSが点滅させているはず*1ですが、フォーカスしてから5秒くらい経過すると点滅が止まってしまいます。キャレットに独自の形状を使って自前で描画しているMIFESでも点滅が停止します。1703 (Creators Update) 以前ではこんな現象は発生していませんでした。1803にも同様のバグがあるようです。

キャレットの点滅は、現在のフォーカスがどのUI要素にあるのか、またアプリ(のUIスレッド)が生きているのかどうかを知ることのできる重要なインジケーターのひとつなので、これが止まってしまうとかなり困ります。この問題は、MFCアプリを開発していたときに気づきました。一瞬アプリ側のバグもしくは設計ミスかとも思いましたが、ありとあらゆるWin32アプリで発生するのでOS側に問題があることは確実です。なおFirefoxは自前のタイマーでキャレットを点滅させているようで、OSのバージョンに関係なく点滅は無限に続きます。OneNote 2016は30秒くらい経過すると止まりました。

しかし、あろうことか窓の杜の某ライターは、キャレットの点滅が止まってしまうのを「仕様変更」だとうそぶいています。これは仕様変更じゃなくてただのお粗末なバグです。なぜ公式発表もないのに、れっきとしたメディアのライターがいい加減なことを書くのでしょうか。

さらに無理やり点滅を継続させるサードパーティ製ツールの紹介までしていますが、こんなくだらないツール作るヒマがあったらMSに不具合報告すべきですね。なんでも日曜大工でDIYすればいいってもんじゃないです。自動車の構造や計器に安全基準不適合の不具合や設計ミスがあったらリコール対象でしょう。不具合に気付いたら勝手に自分で改造して対応したり、その場しのぎの改造方法をユーザー間で共有したりするべきではなく、社会全体のことも考えて国土交通省に報告すべきです。ちなみにWindows 10ではエンドユーザーでもフィードバックHubで不具合報告できるので、おかしな動作に気がついたら個人でもどんどん報告すべきですが、多数の意見・要望が集まらない限りMSは動こうとしません。無視・黙殺されるのがオチです。

Windows 10の品質問題

Windows 10は特に従来のWin32デスクトップまわりの品質が明らかに低下しているように思われます。1709はGetPixel/SetPixel関数のパフォーマンスデグレードもやらかしやがったので、まったく良い印象がありません。1703は2018年10月でサポート期限が切れますが、1709はスキップして1803にすることも検討しています。
それにしても今のWindowsは、すでにある機能を破壊・劣化させてまで追加する価値のある機能など、なにひとつ提供できてないと思います。むしろ余計な新機能のほうがユーザーエクスペリエンスの邪魔をしているくらいです。Windows 7/8.1同様の快適性を得るために、いったいいくつの機能を無効化したか知れません。既存機能の破壊と劣化はApple同様、リリーススケジュールばかり優先して品質確保をおろそかにしているツケがまわってきているだけですが、頻繁な大型アップデートによる新機能追加なぞまったく望んでもいないユーザーが、なぜそこで不利益を被らなければならないのか。極めて疑問です。

*1:点滅間隔はOSのシステム設定で変更できるほか、SetCaretBlinkTime() APIが用意されています。